篠原常一郎氏(写真は本人提供)
篠原常一郎氏(写真は本人提供)

候補者はただのでくの坊なんですか

――神谷代表はAERAの取材に、「さやさんは一候補者で何の権限もないわけだから、党を代表するような発言を勝手にされたら困る。私からしたら示しがつかない」と話し、今後は党のガバナンスを強化する意向を示しました。この判断についてはどう思いますか。

 その発言はおかしい。まず、候補者がメディアの取材を受けるにあたって、たいていの政党では党本部にいちいちお伺いなんか立てません。「候補者には権限がない」と言うなら、選挙期間中の参政党へのインタビューはすべて神谷さんが受けるんですか、候補者はただのでくの坊なんですか、と聞きたい。

 私は20代の時に共産党候補者の秘書を務めていました。当時、「候補者は国会議員になる資質と能力を十分に備えていると党が認定した人なんだから、よく考えて責任を持って活動しなくてはいけない」と教わり、背筋が伸びたものです。

 神谷さんが「俺の許可を取らないで勝手に動いたら処分だ」と言わんばかりに党内を締めつけたら、身内はみんな萎縮して何もできなくなるでしょう。

――平将明デジタル相は7月15日、インターネット上の情報操作によって他国が選挙に介入してくる事案について、「参院選でも一部報告がある」と述べました。さや氏のスプートニク出演について、ロシアによる選挙介入の可能性を指摘する声もありますが、どう捉えますか。

 ネットを利用した他国への選挙介入のような工作は、ロシアに限らず中国や北朝鮮も行っています。ただ、いずれもSNSでの情報工作が常套(じょうとう)手段で、一般のメディアを使ってプロパガンダを発信するなんて、そんな単純で浅はかなまねはしません。

 たとえばロシアの民間軍事会社「ワグネル」は、自動投稿を繰り返すボットアカウントを大量に作り、特定のワードをハッシュタグ付きで拡散させる手法を取っていました。フォロワーが10人や20人しかいない“捨てアカ”のようなアカウントでも、それが1万、2万とあればSNS上の世論に影響を与えることができます。

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