
参議院議員選挙に東京選挙区から出馬し、2位当選を果たした参政党のさや氏(43)。選挙期間中はロシアの国営通信社「スプートニク」のインタビューに応じたことで、「ロシアのスパイ疑惑」がささやかれ、波紋を広げた。参政党初期のボードメンバーで“守り神”とも呼ばれるジャーナリストの篠原常一郎氏は、ロシアの政治・軍事事情にも精通している。さや氏に取材を持ちかけたロシア側の“思惑”について、篠原氏に聞いた。
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――ロシアの国営通信社「スプートニク」は、ウクライナ侵攻に関するロシアのプロパガンダに加担していると警戒されており、EU圏内での配信が禁止されています。そのようなメディアにさや氏が出演したことで、参政党がロシアの影響下にあるのではといぶかる声もありました。本件をどうみていますか。
正直、何が問題なのか理解に苦しみます。さやさんの言葉がロシアに有利な内容に切り貼りされたのであれば問題ですが、そうではない。インタビュー内容も、さやさんが政治家を志した理由だったり、目指している日本の国家像だったりで、ロシアについての言及はありません。
たしかに「スプートニク」は、ロシア政府の主張を日本に伝えるミッションを持っています。でも現状は日本で合法的に活動していて、日本の国会議員もたびたび出演してきた。政治家である以上、どんなメディアでも正々堂々と自分の主張をするべきだし、他国の政府系メディアだから取材を受けないなんて、国際社会では笑われますよ。
――参政党の神谷代表は本件について、Xで「私も広報部も許可を出していません。現場と党の末端の職員が勝手にやってしまったので、その職員には厳しい処分を下しました」と発表しました。党職員の処分は適切だったのでしょうか。
この処分の話を聞いた時、私は自民党の幹部と飲んでいたんです。その人に状況を話したら、「なんで神谷さんは身内を守らないの?」と驚いていました。さやさんを世間の批判から守るために職員を切り捨てたのでしょうが、不当な批判には党としてきちんと反論して、さやさんも職員も両方守るべきです。神谷さんの姿勢は政党人としてどうなのかなと思いました。