「石川とオルランド・カリステも調子が上がらない。交流戦前後は右の強打者5人を欠いた状況で、得点力が上がらないのは当然だった。岡林勇希と上林誠知の左打者2人が好調なだけに、今後に注目したい」(在京球団編成担当者)

 細川は1軍復帰を果たしたが相手球団からのマークが集中することで、ここまで打率.247、6本塁打、22打点と苦戦している。「石川が復調してくれないと本当に困る」(中日OB)という声は多い。

 石川は開幕から不振を極め2軍降格、5月31日には1軍昇格するも結果を出せず、6月17日から2軍再調整となった。その後調子も戻りつつあったが、7月15日のウエスタン・広島戦(由宇)で左足を痛めて心配されている。

 8月9日に23歳の誕生日を迎える高橋と石川(24歳)、中日の未来を期待される2人の活躍が必要なのは当然だ。そしてもう1人、「後半戦躍進のための鍵を握る」男として松中コーチの名前が聞こえる。

「今季セ・リーグは歴史的な“投高打低”で、打率3割以上が1人もいない。今後も大きく改善することはなさそうで、そのなかで少しでも多く結果を残すことが求められる。打撃コーチの技術指導、監督に対する起用選手の進言などがとても大事になる」(在京球団編成担当者)

 松中コーチは“打力向上”のために今季から中日に加わったが、チームは他球団同様に“投高打低”に苦しめられている。しかし難しい状況のなか、打率.293で同部門トップに立つ岡林、勝負強さを発揮している移籍2年目の上林など、結果を出している選手もいる。

「(松中コーチは)現役時代に三冠王になった強打者だけに素晴らしい打撃理論がある。自身と同じ左打者には適切な指導・指示ができているようだ。簡単には行かないだろうが、右打者もしっかり伸ばしてもらいたい」(中日OB)

 編成上の思惑もあるのか、中日には右の強打者が揃っている。1軍では細川とともにブライト健太も結果を出しつつある。2軍を見れば石川をはじめ、中田や鵜飼もいる。松中コーチに対する要望が強くなるのは必然とも言える。

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