でも、コロナ禍において党勢拡大の下地ができたのは間違いありません。社会に蔓延(まんえん)する健康不安や医療不信をうまく取り込み、非科学的な情報を鵜呑みにする人々の支持を一気に集めた。僕がいたころの参政党は、自民党政治に不満を抱える保守層に支持されていましたが、当時のままでは国政政党になるような勢いは生まれなかったでしょう。
最近の参政党は、以前と比べて反ワクチンの主張が鳴りを潜めるようになった。大衆政党を目指す上での巧妙なやり方ですよね。
過去に責任を持たないのは「自民党と変わらない」
――参政党は今回の参院選で大幅に議席を増やし、政権入りの可能性まで指摘されています。
正直、危機感を抱いています。参政党には「訂正できない」という致命的な欠陥があるからです。
参政党は以前から小麦粉が体に悪いと主張していて、吉野敏明元共同代表が在任中に「メロンパンを食べて死んだ人を見た」と発言していたことが物議を醸しています。本来は党としてきちんと謝罪をして、党の公式見解ではないと説明すべきでしょう。過去の発言にも責任を持って対応しないと、政治を担う上での信用問題になります。
SNSでは神谷さんが巨大なピザを抱えている昔の写真が拡散されているし、僕も海外研修に行った際に神谷さんと一緒にハンバーガーを食べましたよ。神谷さんは言うことがコロコロ変わるし、迷ったら過激な思想に走る。情報処理能力に難があるとしか思えません。
さらに、メディアから批判されると「マスコミはウソつきだ」と誤魔化したり、キレて強い言葉で反論したりする、もろさがあります。都合の悪い指摘を無視する、過去に責任を持たないというのは、まさに悪しき政治家の姿だと思うんですよね。参政党は自民党に嫌気がさした人たちが集まった政党なのに、これでは自民党と変わりません。