KAZUYA氏(写真:本人提供)
KAZUYA氏(写真:本人提供)

 神谷さんは「それいいね!」と言い、「すごい人がいるから一緒にやりたい」と政治アナリストの渡瀬裕哉さんを誘いました。そして3人でYouTubeチャンネル「政党DIY」を開設。軌道に乗ったことで翌年の結党に至ります。

 今の参政党は神谷さんが代表兼事務局長として権力を掌握し、独裁と言われていますが、DIY時代は渡瀬さんや僕が意見すると神谷さんは聞いてくれた。参政党結党時も、僕たち3人のほか、元衆議院議員の松田学さん、元日本共産党員の篠原常一郎さんという5人のボードメンバーがいるだけで、代表は置いていませんでした。

神谷氏からの最後のメッセージは「ワクチンには気をつけてね」

――しかし、結党の翌年、KAZUYAさんは党を離脱しました。

 10年代の後半から、神谷さんに「あれ?」と思うことはありました。支持者の中にスピリチュアル界隈の人がいたんです。神谷さんは誰とでも付き合うから、変な思想を吹き込まれている節があって。怪しい数珠を身に着けたり、体にいい周波数が出ると謳った椅子を売る自称科学者を紹介してきたり、次第に不信感が募っていきました。

 決定的だったのは、20年のアメリカ大統領選です。党内ではボードメンバーの一人が露骨に「不正選挙によってトランプ氏が落選した」と主張し、神谷さんはそれを静観していた。陰謀論を許容するような人にはついていけないと思い、21年の初めには離党を決めました。神谷さんには「もうちょっと考えて」と引き留められましたが、決意は揺らぎませんでした。神谷さんから最後に届いたメッセージは「(新型コロナウイルスの)ワクチンには気をつけてね」でした。

――コロナ禍やワクチンをめぐる見解でも、神谷氏とすれ違いがあったのですか。

 神谷さんはコロナ軽視・反ワクチンの立場だったので、コロナ観についても折り合わなかったです。僕と渡瀬さんが離党したことで、神谷さんの「ワクチンはいらない」「マスクは外していい」といった振り切った主張にストップをかける人がいなくなり、その後はむしろブーストをかけるような人たちが党中枢に集まっていきました。

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