
気がつけば体もボロボロになっていて、ここで倒れたら裁判を闘えない、体力をつけなきゃと覚悟を決めました。今は眠くなるお薬を飲んで、強制的に寝ています。
肩にいつも、ちっちゃい花が乗っている
やっぱり自分の中には、プロレスファイターとしての魂があるんです。フジに対しても「なめんなよ」という気持ちで向き合っているし、普段は馬鹿みたいな冗談ばっかり言って明るさで武装しています。まあ、そういう一見元気な姿を見せると、「本当は娘のことなんてどうでもいいんだろ」とバッシングを受けるんですけどね。
花も一緒に闘っていますよ。ここ(肩)にいつも、ちっちゃい花が乗っているので。今でも花が好きな雑貨や駄菓子を見かけるとつい買っちゃうし、たまにお店で「これかわいいねー」なんて話しかけて、変な人になってます。花はフジが放送している「ちびまる子ちゃん」と「サザエさん」が大好きだったんですけど、さすがにこればかりは見る気になれません。

――響子さんにとって、今の望みはなんですか。
お遍路さんに行きたい。5年間ずっと思い続けています。フジが花の死に対して真摯に向き合っていたら、花や私への誹謗中傷がおさまっていたら、誰にも邪魔されずに花を静かに悼む時間を持てたはずなのに。
でも……。ごめんなさい、ちょっと泣いちゃいます。花が最後に残した私へのメッセージが「幸せに生きて」だったから、私は生きて闘わなきゃいけないんです。テラスハウスに出るまでは、私も花も当たり前のように幸せな毎日を送っていて、それが突然奪われた。もう誰にもこんな理不尽な思いはしてほしくありません。
(聞き手・構成/AERA編集部 大谷百合絵)
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