有権者とグータッチをする牛田氏(撮影/大谷百合絵)
有権者とグータッチをする牛田氏(撮影/大谷百合絵)

「他候補のことをどうこう言うことは控えます」

 榛葉氏は「この炎天下の中、58歳、暑苦しくてすみません」と笑いを誘いながら、「給料が上がる日本経済を取り戻そうよ。中国人が日本の土地を、マンションを買いあさっている」などと、国民民主のスローガン“手取りを増やす”を猛アピールした。

 ただ、聴衆の中に分け入って握手や記念撮影をしていた際、支持者とみられる年配女性に対し、「覚えてるよ、美人は忘れないから」と容姿について発言してしまうあたりは危うさも感じた。榛葉氏は5月末の福岡市での街頭演説の冒頭で「博多の女性はきれいだね」と発言して批判を浴び、その後の記者会見で「他意はないが下手なつかみだった。以後気を付ける」と釈明したが、まだ懲りてはいないようだ。

 演説後、牛田氏にトークスキルについて聞くと、「(演説が得意でないという以前の評判は)どこからの評判ですか? スキルを磨いた方法? いや、別に特にないです」と言葉少なに去っていった。

 前述の山尾氏については、国民民主は公認を取り消した側になる。候補者としてはそれをどう受け止めて戦うのか。牛田陣営の関係者は「うちのモットーは“対決より解決”ですし、他候補のことをどうこう言うことは控えます」と濁した。

 選挙戦はまだ始まったばかり。候補者たちの“熱い夏”はあと2週間続く。

(AERA編集部・大谷百合絵)

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東京選挙区ではこのほか、共産の吉良佳子氏、れいわの山本譲司氏、無所属の吉永藍氏、無所属の土居賢真氏、諸派の藤川広明氏、社民の西美友加氏、保守の小坂英二氏、参政のさや氏、諸派の峰島侑也氏、自民の武見敬三氏、立憲の奥村政佳氏、諸派の酒井智浩氏、諸派の福村康広氏、諸派の桑島康文氏、諸派の渋谷莉孔氏、国民の奥村祥大氏、諸派の吉田綾氏、自民の鈴木大地氏、無所属の吉沢恵理氏、諸派の市川たけしま氏、公明の川村雄大氏、維新の音喜多駿氏、無所属の平野雨龍氏、諸派の千葉均氏、無所属の増田昇氏、諸派の辻健太郎氏、諸派の早川幹夫氏、諸派の石丸幸人氏、無所属の高橋健司氏が立候補している。

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