AERA 2025年7月7日号より
AERA 2025年7月7日号より

 アンバサダーとしてハイブランドのディオールさんと仕事をさせていただいたりしているのもそうですし、バレーボール選手やスポーツ選手がやらないことをやっていきたい。今までにないバレーボール選手になって、子どもたちがバレーボールをやりたいと思うような、夢のあるスポーツにしていきたいという思いがあります」

 バレーボール以外の活動で学ぶことも多いという。

「色々な世界の方に出会うことも多いです。CMで香取慎吾さんと共演させていただくこともありました。香取さんの考えていることや、その場のプロの人たちの演技の仕方を見てその世界での生き方であったり、そういった部分を感じられて、だからこそバレーボール選手だけじゃなくて、挑戦する幅を広げて、スポーツ選手という世界を広げていきたいと刺激を受けました」

 むろん、自身の拠って立つところ、原点が何かを忘れてはいない。

「やっぱりバレーボール選手としての実績、結果があって、自分の価値は生まれると思っています。だから、世界一の選手になりたいです。もちろん簡単ではないですけれど、そこを目標にしてやっていくことが大事だと思っています。世界一の選手を目指して、やっていきたいです」

日本代表の強さを証明

 パリ五輪後、ロラン・ティリ氏を新監督に迎えた日本代表の活動もスタートを切った。

 ネーションズリーグの開幕時においては、高橋や石川祐希ら主軸は休養の意味合いもあり、メンバーに入っていないが今後、合流することになる。

 また、秋には世界選手権も控えている。

「SVリーグも盛り上がって、シーズンを通してたくさんのお客さんに見に来ていただきました。また日本代表で結果を出すことが、さらにバレー界を盛り上げていく上で重要なことだと思っているので、しっかりと国際大会が続く中で日本代表の強さを証明していきたいです。監督が代わったことでチームのカラーも変わると思うので、楽しみです。バレー界を背負う一人として、チームを勝たせられる存在、勝つための、ここぞという1点を獲れる選手になりたいと思っています。チームを勝たせられる役割というか、勝たせるための存在の選手になりたいです」

 自らの未来をもっと広げていくために、誰も到達したことのない高みに立つために、髙橋藍は自身の可能性を信じて進んでいく。

(ライター・松原孝臣)

AERA 2025年7月7日号より抜粋

こちらの記事もおすすめ 【もっと読む】高橋藍が明かす「ポジティブに考えられず」「すごい“緊張しい”」だった過去 変わることができた理由
[AERA最新号はこちら]