
百田:ですよね。
ハマ:デモ音源っていわゆる打ち込みで作られていて、「これはあくまでも完成イメージなので、ご自身の感じで差し替えてください」っていうものなんですけど、当時は年齢的にもキャリア的にも未熟だったから「この通りにやらないといけない」って思い込んでいて。でもさ、どれだけ練習しても人間が弾けるスピードじゃないの(笑)。
百田:ははは!
ハマ:悔しいから「逆に完璧にやってやろう」みたいな気持ちになったのをすごい覚えてます。
百田:ライブで「GOUNN」をやる時、ベースの方がよく「これは無理!」っておっしゃるんです。
ハマ:そうでしょ? 先輩ベーシストの吉田一郎さんがももクロのライブに参加するってなった時、「あの曲、頭おかしくない? 全然できないんだけど」って連絡もらいましたから(笑)。
百田:一郎さん、「ももクロダイエットだ」って言って、実際にめっちゃ痩せてました(笑)。
ハマ:だから「GOUNN」には特段思い入れがあります。その後の自分の仕事を広げてくれた曲でもあるし、転機になった曲として。
百田:嬉しいです。その後、「マホロバケーション」(16年リリースの4thアルバム「白金の夜明け」収録)にも参加してくださいましたけど、あれもヤバくなかったですか?
ハマ:うん。もう同じ系統の曲はないだろうと思ってお受けしたら、「GOUNN」の第2章みたいな曲だった(笑)。
百田:頭からおしりまでずっと弾き倒していて、もはやハマさんの曲ですよ。
ハマ:ふふふ。たしかに、音から必死さがにじみ出てますね。
百田:私はあれを聴いた衝撃で耳が変わったというか、ベースの音に耳が反応するようになったんです。レコーディングは大変でしたか?
ハマ:うん。今までの人生で一番リテイクしたのはあの曲ですね。めっちゃ弾き直したの、指がちぎれるかと思うほど。
百田:ええー!?