巨人に岡本和真に代わる「4番」は出てくるのか(日刊スポーツ)
巨人に岡本和真に代わる「4番」は出てくるのか(日刊スポーツ)
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 交流戦は11位と苦戦した巨人だが、リーグ戦再開後はDeNAに本拠地・東京ドームで3試合連続完封勝利と好スタートを切った。首位・阪神に3.5ゲーム差で食らいついているが、気になるのは“4番”の不在だ。(データは6月30日終了時)

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 巨人は不動の4番だった岡本和真が左肘靭帯損傷で5月上旬から長期離脱。代役の4番をキャベッジ、丸佳浩などが務め、6月17日からは吉川尚輝が起用されている。しかし、6月は9勝12敗1分けと負け越した。6月のチームの53得点、8本塁打はいずれもリーグワースト。打線の迫力不足は否めない。

「阿部慎之助監督も打線のやりくりに頭を悩ませているでしょう。巨人の大きな問題は岡本の次の長距離砲が育っていないことです。萩尾匡也、浅野翔吾は打撃不振や故障で1軍に定着できず、シーズン途中にトレードで獲得したリチャードも確実性に欠けている。岡本が今オフにポスティングシステムでメジャー挑戦となれば、4番をどうするか。一昔前のようにFAや助っ人外国人に頼れる時代ではないですから」(スポーツ紙デスク)

かつては外部補強で4番打者を獲得

 かつて、長嶋茂雄終身名誉監督が松井秀喜氏を「1000日計画」で球界を代表する長距離砲に育てたのは有名なエピソードだ。不動の4番で活躍していた松井氏が海外FA権を行使し、ヤンキースに移籍したのは02年オフ。松井氏が抜けたが、当時の巨人は外部補強で4番打者に困ることはなかった。03年以降、清原和博、ロベルト・ペタジーニ、小久保裕紀、李承燁、小笠原道大、アレックス・ラミレス、村田修一など外部からFA移籍などで獲得した強打者が歴任。生え抜きの高橋由伸、阿部慎之助などの強打者も4番を務めた。

「この時代は豊富な資金力で他球団の強打者を獲得できたので、4番打者に困ることはなかった。陰りが見え始めたのは15年以降ですね。4番を務めていた阿部さんがベテランの域に入り、固定できないシーズンが続いた。優勝を逃すシーズンが続いた中、当時の高橋由伸監督が18年に4番に抜擢したのが高卒4年目だった岡本和真です。それまで1軍で実績がなかったので『荷が重い』という声が周囲から上がりましたが、岡本は史上最年少で『打率3割、30本塁打、100打点』をクリア。懸案事項だった『4番問題』を解決しました。この年は3位に終わり、高橋監督は辞任しましたが、岡本を4番で起用し続けた功績はもっと評価されるべきだと思います」(巨人を取材したスポーツ紙記者)

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