
【鴻上さんの答え】
アキタさん。大変ですね。アキタさんの文章を読んで、「ウチもおんなじ!」と叫んだり、つぶやいたりしている人は多いんじゃないでしょうか。
おそらく、アキタさんの夫は、アキタさんがここまで思い詰め、離婚の文字までちらついていることに、まったく無自覚だと思います。
だからこそ、「頼んだことはやりますが、頼んだことしかやりません」という状態なのでしょう。「何回か、もっと主体的になってほしいと言ったこともありますが、特に改善されませんでした」というのも、夫は、事態を深刻に見てないということだと思います。
「信じられない。私がこんなに苛立っているのに、気づいてないの!?」とアキタさんは思われるでしょうが、気づいてないのです。
だから、「ゲームをしたり、釣りやスポーツ観戦などに出かけたり」できるのです。
どうして気づかないのかと言えば、これはもう「甘えている」からです。アキタさんがおっしゃるように、「もう一 人(の)子供」として母親に甘えているのです。
信じられないでしょうが、多くの男達は、本当の母親から、妻という母親に甘える対象を移すのです。
ミもフタもなく言ってしまえば、「それで許される」と思っているのです。自分の母親が許してくれたように、妻も許してくれると思い込んでいるのです。
だから、熟年になって、妻から離婚を提案されて、驚愕するのです。自分は言われたことはやってきたはずだ、ちゃんと稼いでいい父親だったはずなのにと、茫然自失になるのです。