
激闘の続いたリーグ戦を終えた今、スタジオに現れたその姿は、コートとは打って変わった穏やかさに包まれていた。AERA 2025年7月7日号より。
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長いリーグ戦とチャンピオンシップを経て優勝を果たしたチームにあって、その原動力となった高橋藍。数々の個人表彰を受けた年間表彰式も終わった今、コートに立っているときがまるで嘘のように、柔らかな表情を浮かべながらたたずんでいる。つかの間のオフを過ごしているという。
「自分は大阪にいるんですけれど、実家は京都なので家族に会いに行ったり、自分の家でゆっくりしたり、喫茶店に行ってコーヒー飲んだり、ゆっくり過ごしていますね。コーヒーを飲んでいる時間が好きですし、やっぱり、ゆったりする時間というのがいちばんのリフレッシュになると思います」
貴重なオフも、次への充電期間にほかならない。
「リーグ戦を通して、ほんとうにたくさんのお客さんに見に来ていただきましたけれど、もっとレベルの高い試合をして、バレーの面白さをもっと伝えていくことで、リーグをもっと盛り上げていきたいですね」
ふと、手のひらが視界に入る。
「一般の人と比べるとたぶん大きい方だと思うんですけれど、バレーボールの選手の中ではそんなに大きいということはないと思います」
その手のひらは、右手と左手とではっきりと異なっているのが見てとれる。右手がだいぶ厚みがある。
「ボールを叩く方の手が分厚くなっちゃうんですよ。(左手と)全然違います。打ち続けて打ち続けて、『腫れる』じゃないですけど、こうなるのかなって思います」
「これは勲章ですね」と話すと、笑って答えた。
「そうですね。そうかもしれないですね」
そこにも、高橋が積み重ねてきた努力があった。
(ライター・松原孝臣)
※AERA 2025年7月7日号
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