撮影:馬場岳人(朝日新聞出版写真映像部)
撮影:馬場岳人(朝日新聞出版写真映像部)

 全然お金に困っていないお金持ちの奥様もいましたが、多くの人にとってお金は切実な問題ですよね。

 でもすごくシンプルなことでもあると思います。というのも私の根底には「お金がなければ働けばいい」というのがあるのでね。

 営業所長をやっているときは、下世話な言い方をすると、一番の「稼ぎ時」でもありました。自分の売上のほかに、「所長手当」が出て、さらに所属しているセールスレディの売上の一部ももらえたんです。

 私には上から女の子・男の子・女の子と3人の子どもがいます。その子どもたちの教育費のかかる時期が、ちょうど営業所長時代だったので、金銭面でとても助かりました。

 真ん中の男の子は夫の母校でもある早稲田大学に進学したので、学費のほかに仕送りも必要だったんです。

 一番お金のかかる時期にたくさんの収入を得ることができたのは、本当にありがたいことでした。

 かけがえのない人との縁を作ってくれたのも仕事、私と家族の生活を成り立たせてくれたのも仕事です。

 つくづく幸せな仕事人生だと思います。

 お客様も高齢になり、亡くなった人もいて少なくはなりました。でも、お客様が最後の一人になってもお客様が求めてくれているうちは、現役のセールスレディでいたいと思っています。

こちらの記事もおすすめ 102歳現役美容部員「物事は悪く受け取らない」 副業を通して気づいたポジティブ思考のコツ
[AERA最新号はこちら]