
過去、予測不能な展開が何度も繰り返されてきた“魔境J2”は、6月21、22日の先週末に今季の後半戦開幕となる第20節が行われた。波乱含みの序盤戦から激動の中盤戦を迎え、上位が団子状態のままの折り返しとなっている。
第20節終了で首位に立っているのは、水戸ホーリーホック(勝点41:12勝5分け3敗)だ。第12節を終えた時点では勝点17の7位にいたが、5月の第13節以降、藤枝(2-0)、山口(2-1)、秋田(2-1)、熊本(2-1)、長崎(3-0)、富山(1-0)、鳥栖(1-0)、今治(2-1)と、クラブ史上最長となる破竹の8連勝を飾って一気にトップに躍り出た。
昨季途中から指揮を執った森直樹監督の下、オフに経験豊富な中堅選手を多く加え、その中で大分から加わった29歳FW渡邉新太がリーグ2位の9得点(5アシスト)と活躍し、大卒ルーキーの板倉健太とJFLからステップアップしてきた鷹啄トラビスの23歳CBコンビに大森渚生、飯田貴敬のSBコンビも合わせた全員が新加入の4バックの奮闘ぶりも光る。連勝中の8試合はわずか4失点で、8試合中7試合が1点差という粘り強さと勝負強さを発揮。今後“追われる立場”となり、まだひと山ふた山あることは間違いないが、チーム、サポーターも含めて、2000年のJ2参入から苦節26年目、今までになく「J1昇格」への機運が高まっている。
2位はジェフユナイテッド千葉(勝点38:11勝5分け4敗)だ。開幕11試合を10勝1敗のロケットスタートを決め、その11試合は26得点(1試合平均2.4得点)10失点(1試合平均0.9失点)と攻守に相手を圧倒していたが、第12節からの9試合は1勝5分け3敗と急ブレーキ。その9試合は6得点(1試合平均0.7得点)8失点(1試合平均0.9失点)。第19節の徳島戦が3-3のスコアであり、それ以外の8試合はわずか3得点と攻撃が機能していない。長いシーズンの中で“我慢の時期”はあれど、あまりにも長すぎる。序盤戦の首位快走で、半信半疑ながらも16シーズン連続というJ2沼からの脱出へ向けて“その気”になっていたサポーターも、すっかり意気消沈。まだ2位という順位にはいるが、後半戦へ向けて不安材料は多い。