主に注文住宅を提供する住宅メーカーの一条工務店が、共働きの既婚男女673人を対象に2024年に実施した「共働き夫婦の家事シェアに関するアンケート」によれば、「家事分担の割合に満足していますか?」との問いに対し、「とても満足」「満足」「やや満足」と回答した男性が約86%に上る一方で、女性は約54%にとどまった。
「配偶者の家事に点数をつけるとしたら何点ですか?」の問いに対しては、男性の約74%が80点以上と回答。それに対し、女性で80点以上をつけたのは約32%にとどまり、40点以下の評価が約37%という結果に。

同社の担当者はこう解説する。
「近年は共働きのお客様が増え、ご夫婦で相談に来られて家事が楽な住まいにしたいという意見をいただく機会が非常に多いのですが、キッチンや洗面所周りなどは女性主導で選ばれることがかなり多いので、多くの女性が料理などを担っているのだと推測されます」
ただ、同社アンケートの「日々の家事で最も負担に感じるものは何ですか?」の問いでは、女性の「料理」が44.7%で1位。2位の「食器洗い」11.1%を引き離す圧倒的な数字だ。
「一口に『料理』といっても、実際には複合的な家事です。献立を考え、買い物へ行き、調理して、片付ける。中でも献立を考えることが面倒という意見が多いようです」(担当者)
負担のシェアは「あきらめた」
家事の負担を軽減する方法の発信を続ける知的家事プロデューサーの本間朝子さんはこう話す。
「掃除や洗濯は同じ行動を繰り返してマイナスをゼロにする家事。一方で、『料理』はゼロをプラスにするクリエイティブな家事です。単純に教えてすぐ身につくものでもないので分担もしづらく、それが一層、担う側に負担感を覚えさせるんです。料理の負担のシェアは『あきらめた』という声も実際によく聞きます」
献立の生みの苦しみを和らげるには「生成AIに頼るのも手」と本間さんは続ける。
「冷蔵庫にあるものを伝えて、『電子レンジのみ使用』『包丁を使わない』などの条件を入力すれば、あっという間に提案してくれます。そうすれば心にも余裕ができますし、たとえば生成AIを使った献立提案を男性に任せれば、楽しくシェアできるのではないでしょうか」
(AERA編集部・秦 正理)
