
農政の本質的な課題を解決すべき
――野党共闘には維新の協力も不可欠です。
立憲、国民民主、維新という中道系3党が足並みをそろえれば、1人区で自公勢力と互角以上に戦えるはずです。さらに、接戦区や激戦区では共産党などほかの野党とも選挙区調整を進める必要があります。実際、支持団体の連合からも「一定の選挙区調整は認める」というメッセージを受け取っています。
――「コメ」問題も参院選の争点になりそうです。農林水産相が小泉進次郎氏に代わってから、随意契約で備蓄米を放出するなどしたことで、自民が勢いづいているという見方もあります。
彼の真価が問われる局面だと思います。一瞬で話題をさらうお父様(小泉純一郎元首相)譲りの劇場型政治には、さすがに才能のある方だと感じます。ただ、かつての「気候変動にセクシーに取り組む」といった発言などで不可解だという印象を持たれた過去もあります。
そもそも国民の税金で調達し保管しているコメを、理屈をつけて安く、あるいは無償で放出することは、政府がその気になればできないことではなく、現に行われています。一方で、コメを作っても赤字という構造や、耕作放棄地、農地の宅地転用、生産者の高齢化と後継者不在など、農政の本質的な課題には手がつけられていない。それを解決せずに、国民の税金を使ってコメを安く放出するのは形を変えた国民負担にすぎず、根本的な解決にはならない。やっていることが表層的だと感じます。
――立憲民主党は、食料品の消費税率を原則1年間ゼロ%に引き下げ、給付や所得税の控除を行う「給付付き税額控除」に移行する方針です。かつて消費増税を主導した野田佳彦代表や、北欧型の25%消費税を提唱していたご自身の姿勢が揺らいでいると映ることはありませんか。
私は今でも北欧型の社会をひとつの理想と考えています。ただ、その考え方がひとり歩きしてしまったことについては大きな責任を感じており、訂正や修正、そしてお詫びの意を表してきました。代表も「社会保障と税の一体改革」に取り組んだ責任を今も重く受け止めておられます。