玉木代表のポスターを掲げて記者会見した山尾氏だったが、会見翌日に公認を取り消された(日刊スポーツ)

「蓮舫氏と山尾氏は同様の存在に映る」

 この事態を他人事ではないと受け止めたのが立憲で参院選を控える議員たち。蓮舫氏もSNSで炎上することが珍しくないゆえに、出馬となれば「山尾ショック」のように党全体の支持率が低下するのではないかと懸念する声が高まっている。

 蓮舫氏は昨年の都知事選で小池百合子知事に勝てる候補と期待されて立候補したものの、石丸伸二氏にも敗れる3位に沈んだことは記憶に新しい。毎日新聞(6月11日付)は、5月下旬に立憲の大串博志代表代行が水岡俊一参院会長と面会し、蓮舫氏擁立を話し合ったが、水岡氏が「どういう影響があるか考えてほしい」と難色を示したと報じている。

 蓮舫氏を推すA氏は、蓮舫氏の出馬で比例票の底上げが期待できると話す。

「辻元清美氏のように、蓮舫氏の出馬で大量得票が期待できる」

 2021年10月の衆院選で立憲副代表だった辻元氏は、維新の勢いに押されて落選。辻元氏は翌22年7月の参院選に比例代表で出馬し、党内トップ、全体でも3位の42万票あまりを獲得して当選している。

 だが、これに対し、

「辻元氏は大量得票だったが、党の獲得議席に反映したかといえば違うのではないか」

 と反論するのは蓮舫氏の擁立に反対する立憲の参院議員B氏。大手労組が支援組織の議員だ。

 2019年参院選で立憲は、比例区で政党名の得票は約669万票で8議席を獲得。辻元氏が比例区で立候補した2022年の参院選では政党名の得票は約520万票で7議席獲得と1議席少なかった。

 B氏はこう話す。

「投票率も違う2つの参院選を一概に比較できないことはわかっている。ただ、労働組合など組織の支援をバックにしている候補者は、個人名での得票には限界がある。蓮舫氏が出馬して、辻元氏同様に個人名でガサっと票をとってしまえば、組織がバックの候補者にはきついものがある。それに何かと炎上する材料がある蓮舫氏は山尾氏と同様の存在に映る。蓮舫氏が出馬して比例の政党票が伸ばせればいいが、SNSで炎上して減らす可能性だってかなりある。事実、都知事選でも蓮舫氏はSNSで何度も炎上し、SNSで急上昇した石丸氏と明暗を分けた。蓮舫氏の出馬は党勢全体にかかわるので反対だ」

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