
ソフトバンクが6月16日、打撃不振の続く山川穂高のファーム降格を発表した。チームは交流戦で8勝3敗1分(6月15日終了時)と強さを発揮し、交流戦の首位に立つ。上昇気流に乗るチームの中で、山川はその流れに乗れなかった。
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山川は西武からFA移籍した1年目の昨年、全143試合に出場して4番を打ち、本塁打・打点の二冠王に輝いた。チームは昨年91勝を挙げ、2位・日本ハムに13.5ゲーム差と圧倒的な強さで4年ぶりのリーグ優勝を飾ったが、山川の貢献は大きかった。
だが、今年は調子が上がらない。打率.204は規定打席に到達した選手の最下位。4番を任されていた打順も、5月15日の西武戦で7番に下がり、その後は6、7番を打っていた。6月5日の中日戦では今季初めて出場せず、その後も控えにまわる試合が増えた。6月15日までの交流戦の成績は27打数4安打の打率.148。4安打はすべて単打で長打はなく、本塁打は5月27日の日本ハム戦で9号を打ってから15試合も出ていなかった。
「山川は好不調の波が激しい選手ですが、今年は好調の時期が持続しない。チャンスの場面で凡打に倒れてブレーキになる場面が目立ったため、外れるのはいたし方ないでしょう。打線の核として復調してほしいですが、山川抜きでも現状は十分に戦える。一塁の守備力でいえば中村晃のほうが山川より上ですし、中村は広角に打ち分ける打撃技術で選球眼も良いため出塁率が高い。山川が存在価値を示すには、打撃を復調させるしかない」(福岡の民放テレビ関係者)
4度の本塁打王、2度の打点王と日本球界を屈指する長距離砲だが、西武時代にコンスタントに活躍していたかというとそうではない。2018、19年と2年連続40本塁打以上を記録したが、20年は故障の影響で24本塁打と激減。打率.205は規定打席に到達した選手の中でワーストだった。翌21年も24本塁打で5年連続20本塁打こそ達成したが、打率.232と低調な結果に。故障の影響もあり規定打席に届かず、6、7番など下位を打つことが多かった。西武を取材してきたライターが振り返る。
「真面目な性格なので打撃不振の責任を背負い込みがちでしたね。試合後に室内練習場でバットを振る姿がルーティンになっていましたが、なかなか打撃が上向かない。本人も苦しかったと思います。ただ、西武は選手層が厚いチームではないので、結果が出なくても首脳陣は山川の復調を信じて起用し続けていました。その点は今のソフトバンクとチーム事情に違いがあります」