
累計で見ると2020年2月から2025年2月の5年間で、S&P500が204.4%、ナスダック100が259.0%。
2024年2月からの1年間だとS&P500が19.2%、ナスダック100が17.4%。2月下旬にトランプ大統領関連で米国株が暴落した際、ナスダック100のほうがダメージも大きく両者の差が縮まった(もう一つの要因は後述)。
よくも悪くもテック株が現在の米国株を牽引している。ナスダック100はS&P500以上に「上昇も下落も激しい」のだ。
SNSでも、米国株好調の時期はナスダック100や「FANG+」(米国株のうち特に強い10銘柄だけを組み入れ)の投資信託の「爆益報告」が目立つ。
長期で見るとどれくらい差がついたか。ニッセイ基礎研究所金融研究部主任研究員の前山裕亮さんに、毎月1万円×20年間(つまり元本は240万円)をつみたて続けた場合の成績をシミュレーションしてもらった。
直近の20年(2005〜2024年)ではS&P500が1540万円、全世界株式(MSCI ACWI)が1024万円、日本株(TOPIX=東証株価指数)が652万円。
ナスダック100はぶっちぎりトップで2823万円になっていた。
ここ20年は前半にリーマン・ショック(2008年)があったので、前半に大暴落で「毎月、買い下がる」状態。長期のつみたて投資においてはある意味、理想的な状況だった。
そこで同じ20年でも時期によって違いがあるかを前山さんが検証し、表にまとめた。
ナスダック100圧勝

この表は1973年を起点につみたて開始時期を1年ずつずらしながら、それぞれ20年間、毎月1万円ずつつみたてた場合の投資結果だ。
S&P500、全世界株式、日本株と並べて比較したが、大半のケースでナスダック100が最良の成績であった。
「S&P500を米ドル建てでセクター別に見ると、過去20年間で『情報技術』が17.6倍と最も上昇しています。
ナスダック100の上昇もそれに近いもので、情報技術セクターの高騰を享受できた結果でしょう。
過去20年で一番成績が悪かったのは金融セクターなのですが、ナスダック100には金融株が入っていないことも優秀な成績を後押ししています」
