※この表は開始年1989年~2005年(1973年~1988年開始の表は前のページに)
※この表は開始年1989年~2005年(1973年~1988年開始の表は前のページに)

 2024年後半にトランプ大統領が規制緩和を進めるとの期待感から金融セクターが急上昇した。

 S&P500にその動きが反映されたことが、直近1年でS&P500とナスダック100の成績が縮まったもう一つの要因である。

 気がかりなのはエヌビディアを筆頭とするテック株の下落だ。これは一時的なものか、長期低迷に入ってしまうのか。

「割高感が意識されやすい中、金融市場がリスク回避のモードになったことで売られた要素が強いです。おそらく、単なる株価水準調整の色彩が濃いと思います。

ただ、2024年夏以降はテック株の業績拡大が鈍ってきました。投資家の予想を大きく超えないレベルに収まってしまっています。

中国に対する半導体規制を強化する動きや、ディープシークのように安価なAIの台頭も懸念材料としてまだ残っています。

個人的には、再びテック銘柄がかつてのように米国株を華々しく牽引する展開は怪しいと見ています」

 前山さんはナスダック100のような、S&P500より少しとがった指数についてどう見る?

「余力があるならナスダック100に手を広げること自体に問題はありません。

ただ、ナスダック100の投資信託はインデックス型ではあるものの、米国株のテーマ型ファンドの感覚に近いと思います。

S&P500より高いリスクを取っているのに、テーマ型と同じように『必ずしも報われない』可能性があります。その意味で上級者向きです」

2割下落はキツい

 楽天証券アセット事業部アソシエイトの寺原ありささんは言う。

「過去20年間でS&P500よりナスダック100のほうがリターンが高かったことは事実ですが、リターンが高ければ、それだけリスクも高くなります。

市場で売りが優勢になった場合、S&P500をしのぐスピードで売られる可能性もあります。

2022年は米国株が軟調で、S&P500はマイナス6.2%の下落でした。この年のナスダック100はマイナス22.5%です。

いずれも円建てのリターンで、当時の円安傾向に助けられてはいますが……。年間2割以上も下落すると精神的にキツい方もいらっしゃるはず」

※上記コメント内に誤植があり修正いたしました(2025年7月17日)

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