写真・図版(3枚目)| 「高配当株1位は利回り5.86%」3期平均PERで値上がり狙いのベスト30【新NISA応援】

 今期の予想PERが直近過去3期の平均PERより低く、割安になった銘柄を配当利回りの高い順にまとめた(表参照)。

投資家の見直し買いが入ると、再び過去3期平均のPER水準まで値上がりする期待値が高い」

海運と金融に順張り

 目についたのは1位の日本郵船5.86%や6位の川崎汽船4.58%などの海運株。

 13位の大和証券グループ本社4.11%、19位の三井住友トラストグループ3.93%といった金融株も気になる。

 いずれも2024年の株価上昇率は2ケタを超えており、冒頭で述べた(A)〜(C)の中では(C)に属する。

 12位の損保会社、MS&ADインシュアランスグループホールディングスは2024年の1年間で86.6%も上昇。

 それでもMS&ADの今の配当利回りは4.20%で、(C)の典型例だ。

「株価が上がっているのに過去3期平均のPERより今期予想PERが低いということは、株価の上昇を超えるほど今期の利益成長率が高いということです」

 日本の個人投資家は下落中の株を「割安でお買い得」と買う傾向が強かった(「逆張り」という)。

 近年は巨大IT株のエヌビディアなど一貫して右肩上がりの米国株に「順張り」で投資して成功する人も増えている。

 順張りとは値上がり中の銘柄に乗る手法のこと。

「日本の投資家にも順張り投資が根付きつつあります。私が講演しているときに感じるのは、年齢が比較的若い方に順張り派が多いということです。

高配当かつ株価も急上昇している金融株や海運株は順張りが好きな人にぴったり」

 5位の日本M&Aセンターホールディングス(配当利回り4・69%)は、ある意味、新種の高配当株だという。

「4〜5年前まで日本M&Aセンターは中小企業のM&A(企業の合併・買収)の盛り上がりもあり、イケイケの成長株でした。

過去3期平均PER28倍台に対し、今期予想PERは18倍以下まで低下しています。

成長期待が剥げ落ちて株価が下がったからですが、今後は稼いだ利益を株主還元に回す方針に転換したため、配当利回りが上がりました。

成長株から成熟株に変貌する過渡期にある銘柄です」

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