兵庫県庁近くで斎藤知事の辞職を求める人々

9月議会では不信任案も

 斎藤知事の問題を追及してきた丸尾牧県議は、こう話す。

「朝日新聞のアンケートでもわかるように、斎藤知事への信頼は失われている。県議会の複数の会派は、もう一度不信任決議案を出すべきだという考えを示している。斎藤知事が居座り続けるなら、9月の議会では不信任案を出すこともあるのではないか」

 斎藤知事には刑事捜査の動きも続いている。6月10日には、神戸学院大学の上脇博之教授が、情報漏洩について、井ノ本氏や斎藤知事、片山元副知事を地方公務員法(守秘義務)違反容疑で神戸地検に刑事告発した。告発状には82人もの弁護士が名を連ねた。

「第三者委員会の結論からも、斎藤知事の指示がなければ、井ノ本氏は情報漏洩をしていないと考えるのが自然ではないか。兵庫県は井ノ本氏の刑事告訴もしなかった。真相解明するには、主犯ともいえる斎藤知事の捜査が不可欠です」(上脇氏)

 斎藤知事は昨年11月の知事選挙を巡っても、公職選挙法違反(買収)容疑で上脇氏と郷原信郎弁護士によって12月に神戸地検と兵庫県警に刑事告発されている。

「捜査は確実に進展していると聞いている。ただ、斎藤知事を巡る事件が複数あり、兵庫県警、神戸地検とも時間がかかっている様子だ」(郷原弁護士)

「『指示していない』はパワハラです」

 県庁に20年以上勤める中堅幹部のBさんは、こう話した。

「情報漏洩について斎藤知事は、他の人が認めているのに、『自分は指示していない』で強引に押し通し、部下が悪いんだといわんばかり。これって、立派なパワハラですよ。斎藤知事のような人とは仕事はできないと、何人も県職員が辞めていきます。その気持ちは本当によくわかります」

 Bさんは「これ知ってますか」と、スマートフォンで斎藤知事のSNSを見せてくれた。そこには関西・大阪万博の視察で巨大なガンダムを背景に手を振り、「楠公武者行列」のイベントで楠木正成に扮してポーズを決めるなどの斎藤知事の写真がアップされていた。

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