俳優、プロデューサー、美容──さまざまな場で人と人をつなげる彼女を「姉貴」と慕う若手も多い(写真/東川哲也)
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 メディアでMEGUMIを見ない日はない。ある日は俳優として、ある日は美容家として、ある日はプロデューサーとして。5月にはフランス・カンヌで「JAPAN NIGHT」を開催した。映画制作など、海外での仕事も増えている。常に自分が何をしたいか、どうなりたいかを考え、そこに向けての努力は惜しまない。前へ前へと、自分の手で道を切り開く。

【写真】映画「FUJIKO」の撮影現場でプロデューサーとして裏方に徹するMEGUMIさん

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「おはようございます~」

 4月のある日曜日、午前10時30分。東京郊外のロケ現場にMEGUMI(43)が姿を見せた。ミリタリーなカーゴパンツにグレーのトップス、揃いの色のキャップ姿がキュートだ。台本を手に、スタッフに気さくに「どう?」「お疲れ!」と声をかけていく。今日のMEGUMIは映画「FUJIKO」のプロデューサーとしての顔をしていた。

「FUJIKO」は2年前、監督・木村太一との出会いからはじまった。MEGUMIは企画から資金集めとすべてに関わり、撮影現場にも頻繁に顔を出し、すっかりスタッフに溶け込んでいる。この日は現場にカフェカーを差し入れ、「みなさん、好きなだけ飲んでください!」の言葉に全員がワッと沸いていた。後日の取材時に「すんごい請求がきて『こんなに人いたっけ? どんだけ飲んだんだよ!』って(笑)」と、冗談めかして言う姿も、いやマジでかっこいい。

雑誌「otona ROSY 2025 Summer号」(宝島社)の撮影風景。20代後半から1千種類以上の美容法を試した成果を発信している。「肌には生きざまが全部出る。女性を励ます活動になれば」(MEGUMI)(写真/東川哲也)

 グラビアアイドルとして一世を風靡し、バラエティーに進出。その後、2019年に「台風家族」(監督・市井昌秀)で彼女の演技を見たときの驚きは忘れられない。同作と「ひとよ」(監督・白石和彌)で第62回ブルーリボン賞助演女優賞を受賞し、俳優としての評価を確立した。

 加えて23年に出版した美容本は累計60万部のベストセラー。プロデューサーとしてドラマや映画を企画・制作し、先のカンヌ国際映画祭会期中には日本映画や文化の魅力を伝える第2回「JAPAN NIGHT」を設立人として開催。世界各国の映画関係者1400人以上が集い、昨年を超える盛況ぶりとのニュースが届いている。

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