イラスト/カトリーヌあやこ
イラスト/カトリーヌあやこ

 などと一抹の不安を抱えながら見た初回。いやびっくりするほど森本は山里だった。遠目、うっかり見分けがつかない。

 そしていくらなんでも顔が違いすぎ、「パラリ顔」若林が「みっしり顔」に~と思っていた高橋の話し方、まさに若林。ニュアンス完コピ状態。

 ただね、この作品はこうして「似てる似てない」で見るドラマではないと思うのだ。幼少期から培われた若林のネガティブ思考、山里の嫉妬とフラストレーション。

 可愛い女子への憧れと「面白い」と思われたい渇望。創業以来の秘伝のタレのようにグツグツ煮込まれた「こじらせ男子」の青春だ。

 思い出すだけで冷や汗をかくような「たりない」頃の自分。それを可視化することで、今やメインMCもこなし結婚も果たした二人が、「たりてしまう」ことへの恐怖に抗い、まだまだ「たりない」を再確認する物語では?

 とはいえ、教室でいきなり春日(戸塚純貴)の襟足をハサミでカットする若林=高橋はやはりイケメンだし、ついついよぎる「似てる似てない」問題。これ、見ているうちに慣れるのだろうか。

カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など

週刊朝日  2023年4月28日号

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