ご一家は、ご静養や美術展・コンサートなどに行くときは1台の車に3人揃って乗車して移動するが、今回の沖縄訪問は慰霊という場であることから、天皇、皇后両陛下は天皇旗をつけた御料車、愛子さまはその後ろのお召車と2台に分かれて移動していた。
「先に愛子さまが車を降りられて、天皇、皇后両陛下が車を降りられるのを待って、お二人にきちんとお辞儀をなさる。訪問の先々でそういったシーンがありましたが、天皇、皇后両陛下を敬う気持ちが、愛子さまのお辞儀には表れていらっしゃいました。今回は慰霊の訪問のご公務ですから、親だからとか子どもだからは、当たり前ですが関係ありません。成年皇族としての意識と立ち居振る舞いが大変自然で、心からそれを行なっていらっしゃるのが伝わってまいりました」(西出さん)
雅子さまをチラッと見る愛子さま
今回の沖縄で最初の訪問先である「国立沖縄戦没者墓苑」では、愛子さまが雅子さまをチラッと見る場面があった。ほんの一瞬、愛子さまの眼差しが雅子さまに向けられたのだが、西出さんは見逃さず、そこに「雅子さまへの敬意があふれていた」と話す。
「車から降りて、出迎えの現地の方々にご挨拶なさるときに、愛子さまは一瞬、雅子さまをご覧になったんです。そのお姿に、皇后陛下のあとについてきちんと振る舞わなければならないという自覚のようなものを感じました。“目上の方”である雅子さまのお姿に従う謙虚さや素直さを、雅子さまをチラッとご覧になった愛子さまの視線に感じました」(西出さん)
ピッタリと揃うご一家の姿
愛子さまの立ち振る舞いに「心」を感じるとともに、ご一家の息の合った姿にも西出さんは驚きを隠せない。

「当日、車で現地に入り、その場で慰霊の供花などをされるので、現地でのリハーサルはできないと想像します。それなのに、どうして天皇、皇后両陛下、愛子さまはこんなふうに揃ってお辞儀ができるんだろうと感心していました。国立沖縄戦没者墓苑で供花に進まれる姿は、三人の足が右、左、右、左……と一瞬たりとも乱れることなく美しく歩まれるんです」(西出さん)