6対2とリードしたDeNAは3回にも1死一、二塁のチャンスをつくり、3番のホセ・ロペスが三塁線をゴロで抜く長打性の打球を放った。

 名幸一明三塁塁審はフェアと判定し、この間に2人の走者が生還。8対2とリードを広げたかに思われた。ところが、左翼ファウルエリアにいたボールボーイがこの打球をファウルと勘違いしてグラブで捕球したことから、話がややこしくなった。

 直後、両チームの選手とスタンドのファンから一斉に「えーっ!」と注目され、自らの大失態に気づいたボールボーイは、一度はグラブの中に入れたボールをグラウンドに戻し、「ごめんなさい」とばかりに頭を下げたが、もう手遅れだ。

 審判団の協議の結果、ボールボーイが打球に触れた時点でボールデッドとなり、1死一、三塁で試合再開。8点目のホームを踏んだ一塁走者・梶谷隆幸は三塁に戻された。

 それでもロペスは、2点タイムリーが1打点に減ったにもかかわらず、ボールボーイを気遣ってか、「追加点が欲しかったので、適時打になってうれしい」と神対応。次打者・筒香嘉智の中犠飛で梶谷が2度目の生還をはたし、DeNAにとっては結果オーライとなった。

(文:久保田龍雄)

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