万博会場へのアクセス道路には、反対車線との間にカラーコーンが置かれている部分があった

150台のカメラで常時監視中

 維新の大阪市議に「逆走」があったことを伝えると、こう話した。

「逆走があったなんて、聞いてない。アクセス道路に入るまでに2カ所のゲートがあり、交通監視員に入ってもらって管理している。市議会でのやりとりでは、カメラを150台設置して逆走などがないようにすると言っていた。万博のために暫定的にオープンしたアクセス道路で事故が起これば、来場者がさらに地下鉄に殺到し、今でも利用者が少ないシャトルバスはガラガラなんてことになりかねない。それでなくとも万博の来場者が伸び悩んでいるのに、ますますイメージが悪くなる」

 調べると、2024年10月7日の市議会「2025大阪・関西万博推進特別委員会」で、仮オープンするアクセス道路の管理について問われた市建設局の担当者がこう答えていた。

〈工事状況を把握するために既に設置しているカメラに加えまして、約50メーターピッチで合わせて150台程度のカメラを設置いたしまして、車両の通行状況や路面の不具合などを遠隔で常時監視するとともに、日々巡回パトロールを実施することとしております。また、駅シャトルバスが通行しない夜間の時間帯につきましては、誤進入のないように出入りを制限することとしてございます〉

 常時監視しているカメラが多数あっても、2キロの逆走を防ぐことはできなかったのだ。

「タクシー会社に注意するよう連絡した」

 市建設局に電話した際、
「どうしてタクシーの逆走を知っているのか」
 と繰り返し聞かれた。

 市建設局のホームページには「報道発表資料」がまとめられ、様々な情報が掲載されている。しかし、タクシーの逆走はどこを見ても掲載されていない。同様の事案を防ぐためにも周知は必要なはずだが、なぜ逆走があったことを公表しないのか。その点を聞くと担当者は、こう答えた。

「当該のタクシーと会社は判明しており、注意するように連絡をしたので」

 大阪市は万博に関する悪い情報を隠そうとしているように見られても仕方ないのではないか。

(編集部・今西憲之)

こちらの記事もおすすめ 大阪・関西万博の虫の大量発生は4年前から分かっていた! 「恐ろしいほどの数のユスリカが…」公聴会で指摘
[AERA最新号はこちら]