ジープ ラングラー アンリミテッド:大型のアメ車が苦手とする最小回転半径が改善され、日本の狭い道でも取り回しがしやすくなり、ジープゆえに悪路走行も難なくこなす

 では、どうすればアメ車が日本でも売れるのか。

「実は僕の好きなアメ車は旧車なんです。今のなら大型のピックアップトラック。でも正規ディーラーが少ないから、安心して乗れないですね」

 昔のアメ車なら自分でも手を入れられるし、いま自分が所有するアメ車は不具合があれば自身で修理をするという。だが、今の車はコンピューター制御の部分が多く、イクラさんによればアメ車にはその不具合が多いとのことだ。不具合は本国アメリカでも完全に解決されていないので、日本でそのような問題が起きればお手上げになってしまうとイクラさんは危惧して新車のアメ車の購入をためらうと話した。

「輸入代理店を増やし、整備や部品の供給ネットワークをつくれば売れるようになると思いますよ。ジープは日本でも受け入れられていますし、僕も好きで乗っています。実はアメ車好きの人って結構いると思いますよ」

 イクラさんはアメ車を売るための策をいろいろ提示してくれ、なるほどと感心することも多かった。

 日本の道路には大きくて燃費が悪いのに、ファンからはこんなに愛されているアメ車。トランプ大統領はこの声に耳を傾けてほしい。

(ライター・鮎川哲也)

キャデラック エスカレード:大きく見えるがトヨタ・アルファードを少し大きくした程度のサイズ。アメ車の特徴と存在感を感じさせる代表的な一台といえる

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