
いくら/ミュージシャン、アメ車、アメリカ文化の愛好家、ハーレーのカスタムプロデューサー。昭和歌謡のカバーアルバム「Woman」が6月4日発売(写真:本人提供)
また、1975年から79年まで週刊少年ジャンプに連載されていた『サーキットの狼』の影響も考えられると伊達さんは言う。この漫画にはロータス・ヨーロッパやランボルギーニ、フェラーリなどのスーパーカーと呼ばれる外車が登場していたが、ほとんどが欧州車で、アメ車は端役扱いだった。
アメリカらしさを感じるピックアップトラックは日本でも人気がある。やや小型化したアジアスペシャル的なピックアップトラックをつくれば売れる可能性があるのではと提案してくれた。
「アメリカ向けのアメ車を日本人に買えと言われてもハードルが高い。そんなトランプ大統領にあえて言わせてもらえば、日本の車をめぐる状況を勉強してほしい。買えとブラフをかます(相手を圧倒するために強い態度を取る)なら、もう少し紳士的にやってほしい」と苦言を呈した。
「でも“ダメ”な部分もあるアメ車をもっと好きになれる男でいたかったですね」と伊達さんは自戒を込めてつぶやいた。
憧れのアメリカの象徴
伊達さんはジャーナリストとしての意見であったが、アメ車通として知られ、300台を超すアメ車を乗り継いできたミュージシャンのイクラさんにも聞いた。
「アメ車はデザインが好きで、鉄とガラスで出来た芸術品だと思います。時計や指輪と同じアクセサリーの一つ。アメ車に乗って、それでおしゃれが完成するのです」と力強く話す。
燃費はよくないが、なぜアメ車に乗り続けているのかを聞くと、
「アメ車に乗るのは僕にとっては当たり前なんです。子どもの頃に憧れたアメリカのイメージを今も引きずっているのですかね。今年で33回目になりましたが、カリフォルニアのイベントを小さくしたような『アメフェス』も毎年主催しています。アメリカ文化にどっぷり浸かった僕は特殊なのかもしれないですね」
と微笑んだ。