
「102歳のカレーがこんなにおいしいなんて!」――訪れる人の誰もが驚くのが、堀野智子さんがふるまう“まかないカレー”。冷蔵庫の残りものを上手に使いながら、牛乳を加える独自のアレンジで生まれるその味は、優しくて奥深い味わい。お昼を外で食べられるお店がないという自宅で、取材陣や家族にふるまわれる“堀野カレー”には、人をもてなす心と、日常を楽しむ知恵がたっぷり詰まっています。
堀野さんの最新刊『102歳、今より元気に美しく』(朝日新聞出版)から一部を抜粋・加筆再編集して公開します。
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――堀野さんは、取材に来た方やご家族に手作りカレーをふるまうこともあると伺いました。どのような工夫をされているのか、ぜひ教えてください。
冷蔵庫や冷凍庫にたまったお肉を消費するのに、カレーは持ってこいのメニューです。
とはいえ、カレーはたくさん作ってこそおいしくなるものの代表格。一人分のカレーをちまちま作っても仕方ないので、自分一人のためには作りません。
私が張り切るのは、誰かが来るときです。娘夫婦のこともありますが、取材に来てくださる方たちのお昼ごはんとして出すこともしばしばです。
そもそもわが家の近くには、お昼を食べられるようなお店が一軒もないんです。
取材は一日がかりになることもあるので、そうなるとお昼の用意が必要になりますよね。そんなとき、カレーはもってこいなんです。