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撮影:馬場岳人(朝日新聞出版写真映像部)

 この事実だけを取り上げたとき、私のことを「幸せな女性」と思う人はまずいないのではないでしょうか。

 私自身にとっては、仕事をする動機づけにはなりましたが、だからといってそれが幸運だったとも不運だったとも思いません。

 そういう事実が私の身に起こり、それでも食べていかなければならないので「自分でお金を作り出さなくちゃ」と思い行動したまでです。

 自分がそんな経験をしているので、人の外側だけを見て、「この人は私より幸せ」と断じるのは、全く意味のないことだと思ってしまいます。

 人の幸せそうに見える姿というのは、かげろうみたいなものなのでしょう。

 だって全部、自分の頭の中で作り出しているだけで、本当のところなんてわかりようがないんですから。

 そんな空想にとらわれて、うらやましがったり悔しがったり妬んだりしてしまっては、心が不自由になっていくだけだと思うのです。

 それに誰かの幸せが自分を不幸にするなんてことは絶対にないですからね。

 人は人、自分は自分、と線を引いて混同しないことが大事なんじゃないかと思います。そうすればむやみに人と自分を比べることもなくなっていくことでしょう。

 

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