
「人のことでイライラしていたら、人生もったいないわよ」──102歳現役で働く堀野智子さんが語る、“心を自由に保つ”秘訣とは? 長い人生の中では、意地悪や嫉妬、理不尽な態度にさらされることも少なくなかったという堀野さん。そんなとき、どう気持ちを切り替え、働き続けることができたのか?
「負の感情に振り回されない生き方」にこそ、堀野さんの健康と美しさの秘密が詰まっています。彼女が実際に体験したエピソードを通じて、その深い人生哲学に触れてみてください。堀野さんの最新刊『102歳、今より元気に美しく』(朝日新聞出版)から一部を抜粋・加筆再編集して公開します。
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――堀野さんは、102歳で現役美容部員として働いています。今まで仕事をしている中で嫌なこともたくさんあったと思いますが、それでも働き続けられた秘訣があれば教えて欲しいです。
長く生きてきて、人間は気持ちの持ちようで幸せにもなれば不幸にもなるということを目のあたりにしてきました。
人様のことを批判するつもりは毛頭ないのですが、お付き合いのあった人の中には、過剰に人のことを気にする人がいました。そういう人に接したときに、「この人、自分で自分の心を縛って不自由にしているんじゃないかな」と思ったことがあります。
たとえばこんなことがありました。
私はわりと人の感情に鈍感なところがあるので気づかなかったのですが、ある一人の人に長いこと意地悪なことをされていたらしいのです。仮にこの人をA子さんとしましょう。
職場でA子さんが私の後ろを通るとき、椅子にぶつかるのです。「あれ? 私の椅子が邪魔なのかな」と思って机に近づけました。それでもまたA子さんが後ろを通ると「ガタン!」とぶつかります。
何回かそんなことが続いたある日、ほかの人から「A子さん、堀野さんの後ろを通るとき、わざと椅子を蹴とばしてるよ」と言われて仰天しました。
「堀野さん、幸せそうだから妬んでるんじゃないの?」とも言われ、さらにびっくりです。
ほかにもみんなにお菓子を配っていたとき、「私、そのお菓子大嫌い!」と言って受け取ってくれなかったこともありました。
何かにつけ私のすることが気に食わなかったようです。