この春、突如現れた平野大智にスカウト陣もビックリ(写真提供・日刊スポーツ)
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「AERA DIGITAL」に最近掲載された記事のなかで、特に読まれたものを「見逃し配信」としてお届けします(この記事は4月21日に「AERA DIGITAL」に掲載されたものの再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。

【写真】意外?実は兄弟揃ってNPB入りしていた選手といえば

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 4月も下旬に入り、ドラフト戦線も各カテゴリーで本格的に動き出す時期となった。中でも毎年、最も注目選手が多いのはやはり大学生である。ただ昨年の宗山塁(明治大楽天1位)、金丸夢斗(関西大→中日1位)のような複数球団競合間違いなしという超目玉は現時点では不在という印象だ。そんな中で評価を上げてきている選手はいるのか。4月20日終了時点のプレーぶりなどから有力選手の動向についてまとめてみたいと思う。
 

 まず昨年秋の活躍で頭一つリードしたのが立石正広(創価大・二塁手兼三塁手)だ。明治神宮大会では大会記録となる10安打を放ち、打率.667、2本塁打と圧倒的な成績を残すと、その後に行われた大学日本代表候補の強化合宿でもフリー打撃で広い坊っちゃんスタジアムの場外に運ぶなど桁違いのパワーを見せつけた。この春もリーグ戦の初戦、第1打席の初球をいきなりレフトスタンドへ運び、視察したスカウト陣を唸らせている。その後は厳しいマークもあってなかなか快音が聞かれなかったが、4月20日の杏林大戦では2安打2打点の活躍。今年からコンバートされたセカンドの守備も安定しており、あらゆるポジションを守れる可能性があるのもプラス要因だ。順調にいけば1位指名の可能性は極めて高いだろう。

 立石以外の野手で上位指名が狙えそうな選手としては小島大河(明治大・捕手)、谷端将伍(日本大・三塁手)、松下歩叶(法政大・三塁手)、松川玲央(城西大・遊撃手)、大塚瑠晏(東海大・遊撃手)の名前が挙がる。そして現時点で強烈にアピールしているのが谷端と大塚だ。谷端は開幕戦の国学院大戦で決勝の2点タイムリーツーベースを放つと、その後の3試合でもマルチヒットを2度記録。ホームランこそまだ出ていないものの、打球の速さは際立っており、レベルの高い東都大学リーグの投手を相手にも見事な打撃を続けている。逆にサードの守備は少し軽率なプレーが目立つだけに、もう少し丁寧さを出したいところだ。一方の大塚は守備だけなら宗山にも負けないという評価を得ている守備名人だ。昨年までは強く振ろうとし過ぎて打ち損じることが多かったが、この春は5試合全てでヒットを放ち、4割を大きく超える打率をマークするなど確実性の面で大きな成長を見せている。昨年の宗山を見てもショートの需要は高いだけに、この状態を維持できれば高い評価でのプロ入りも見えてくるだろう。

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