打撃練習をする巨人・坂本(日刊スポーツ)
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 主砲の岡本和真を故障で欠く苦しい台所事情の巨人。チームの窮地を幾度も救ってきたこの男も苦しんでいる。10代のころから巨人のレギュラーとして走り続けてきた、プロ19年目の坂本勇人(36)だ。

【写真】31歳10カ月で2000本安打を達成した坂本とモニュメント

 今季は開幕から打撃が上向かず、打率.129、0本塁打と成績不振の4月15日に登録抹消された。復活への道を模索してファームで打撃の改良に取り組んでいたが、岡本が故障で離脱したため、5月7日に1軍へ緊急昇格。「7番・三塁」でスタメン出場した7日の阪神戦で決勝打となる左翼線適時二塁打を放つと、試合後のお立ち台で、「(岡本)和真の代わりにはなれないですけど、チーム全員でカバーしながら、帰ってくるまで頑張ります」と力強く誓った。ここから復調が期待されたが、快音が続かない。1軍に再合流後14打数2安打とふるわず、12日に再び登録抹消となった。

「ここまでガクッと落ちるとは……。2020年に右打者最速の31歳10カ月で通算2000安打を達成した時は、3000安打も実現可能だと思いましたが、今の坂本は安打を打つ雰囲気が打席でまったく感じられない。甘い球をとらえられず、外角をひっかけた内野ゴロばかりが目立ちます。技術面でどこを修正すればいいのか、体のキレを取り戻すのが重要なのか、打撃不振の要因を探し出すのが難しい。試合に出続けて好守で貢献するタイプなので代打は合わないでしょう。このまま打撃の状態が上がってこなければ、来季の現役続行は不透明になります」(スポーツ紙デスク)

 通算2000安打の大記録を達成した5年前はまだまだ余力を感じさせていた。不動の遊撃手として出場を続得、23年は打率.288、22本塁打、60打点をマーク。昨年は守備での負担を減らすため三塁に転向し、打撃でさらなる活躍が期待されたが、このころから歯車が狂いだす。昨年は打率.238、7本塁打、34打点で、打率は自己ワーストだった。

 他球団のスコアラーは「ある異変」を指摘する。

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