あおりの動画を撮って配信するとかなりの反響があり、「さて落語はどこで収録しようか?」ということになりました。
マ「ワタナベの事務所の会議室とかどうです?」
私「うーん、どうかな」
マ「スタジオ的なスペースもありますよ」
私「やっぱり慣れてるところがいいんですよね。落語を普段からやっているようなスペースがいい。その小屋が落語に慣れている、小屋に落語が染み込んでいるほうがいい!」
マ「なるほど!!」
もっともらしいことを言いましたが、当時ワタナベの事務所が表参道にあり10日間も毎日通うのがめんどくせぇ……というのが7割くらいの理由でした。3割は本当です。やり慣れてる場所のほうが、私も小屋もお互いに「馴染む」のが早いのです。
体格のいい30半ばのお兄さん
ということで、いつも落語会を開いていて店主も気心が知れている神保町のらくごカフェにお願いしました。店主の青木さんも快く引き受けてくれましたが、収録場所は伏せて行うことに。「自粛警察」的な人にヤイヤイ言われると店に迷惑がかかりますから(終わってみれば否定的な人はいませんでしたけど)。
しっかり生配信しようとすると、やっぱり機材も人手もいるんですね。ワタナベのYouTube班が2名来てくれました。常時いるのがタケちゃん(仮)という体格のいい30半ばのお兄さんです。元々芸人さんって言ってたかな。
初日、2日目と配信が終了してわかったことは「無観客で落語をするのはメチャクチャくたびれる」。
というのは、会場内にいるスタッフさんには「できる限り笑わないでくれ」と頼んでおいたのです。あえて反応がない状態、無観客ということを意識して配信したい。結果としてそれが大きな間違いでした。笑いがない状態で落語をやるとくたくたになります。疲れます。カメラの向こうの人に届けようと、言葉を語尾までいつもよりハッキリと発し、表情もちょっとオーバーにして、ようは自宅で一生懸命にお稽古してる感じで一席やったらもうぐったりしちゃった。