一番大きなコンプレックスだった口もとの悩みがなくなったことで、視野が広がった。今でもコンプレックスはあるが、それも含めて自分だと受け入れられるようになった/撮影・上田泰世(写真映像部)

「自己肯定感」上げなくていい

――すべての感情が今につながっているんですね。今あるコンプレックスとは、どう付き合っていますか。

 コンプレックスにすごく悩んでいる方は、繊細だったり、自分を肯定できない方が多いように感じています。でも、私は自己肯定感を上げるべきだとは思っていないんです。その代わり、「いいかも」って感じられる日を増やすための行動をしています。

 と言っても、大きなことじゃないですよ。ちょっとメルヘンすぎるけど、道端のお花を見て「あー素敵!」って思って写真を撮るみたいな、そういう前向きになれることを一つひとつしていくと、それが積み重なったときに「今の自分ちょっと好きかも」って思うときがあります。

 自分のなかにある一番大きなコンプレックスを整形手術という選択でなくしたことで、そう思えるようになりました。

――整形したからこそ、他のコンプレックスと向き合えるようになった。

 はい。他にもいろんな選択肢があったと思います。そのなかで私は整形を選んだっていうだけなんですけど、そうしたことで他のコンプレックスを受け入れることができるようになりました。

(構成/AERA編集部・福井しほ、撮影/写真映像部・上田泰世)

前向きになれるようなことを一つずつ積み重ねていくことで、「今日の自分ちょっと好きかも」と思えるようになった/撮影・上田泰世(写真映像部)

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