野外フェス「ジゴロック」でラストに歌ったのが「TATOO」(ファン私物 撮影/中村隆太郎)

一番感動したのは?

 そして、3曲目に披露した「愛撫」の振り付けも完璧だったそう。ラストに歌ったのが「TATOO」。Kayaは、今回のステージで一番「感動した」と話す。

「『TATOO』はジャズバージョンではなく、小室さんが今回のためにリアレンジしたものでした。小室サウンドがしっかり打ち出されたカッコいいもので、私は4曲の中で『TATOO』が一番良かったです 。いまの明菜さんの体力、声の質、曲そのものがもっている気だるい妖艶さがきれいにマッチしていた。元々、明菜さんには合っている曲でしたが、今の明菜さんにも ものすごい合っていて、年齢を重ねたからこそ出る魅力も遺憾なく発揮されて、カッコいいと思いました。人生が声ににじみ出ていました」

「TATTOO-JAZZ-」を歌う中森明菜。ゆったりニットにポニーテールがキュート!/中森明菜公式YouTubeチャンネルより

 改めて、今回のフェスでの中森明菜を振り返って、そこには「次を見据えた」姿があったとKayaは言う。

「明菜さんは、歌うのが好き、ファンの人たちを喜ばせたいという気持ちがものすごく強いんだなと改めて感じました。ファンの前に姿を見せるために、トレーニングして、生活を整えて、並々ならぬ努力と覚悟でステージに帰ってきたんだなという気持ちが伝わって感動しました。そして、きっと明菜さんのことなので、あのステージを見る限り、きっと次を見据えているだろうなと思いました」

 デビューから43年の中森明菜の「次」はいったいどんなものなのか、期待してしまう。

(AERA編集部・太田裕子)

「中森明菜さんになりたい」と歌手を目指したというプロシンガーのKaya
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