
高まる期待の中、中森明菜がステージに降臨。1曲目は「DESIRE -情熱-」だった。1986年の「第28回日本レコード大賞」で大賞を受賞した誰もが知るヒット曲。イントロが流れた瞬間、Kayaは祈るような気持ちで中森明菜の姿を見つめた。
「長い間、療養なさっていて、昨年は公式YouTubeではジャズアレンジの明菜さん自身の楽曲を配信していました。明菜さんのペースで復活していく姿を見守っていたところから、復活の1曲目が『DESIRE -情熱-』! 小室哲哉さんのリアレンジで、ハイテンポでキーも高くイントロが流れて、イントロだけでテンション上がったんですが、“復帰でいきなり、この曲で大丈夫!?”ってドキドキして、気がついたら、祈るように手を前で握りしめて見ていました」
「仕上げてきた」と思える姿
祈るように見守る中森明菜の姿には「80年代の全盛期しか知らない方からするとパワーダウンしているように見えるのは仕方ない」とKayaは前置きしつつも「仕上げてきた」と感じたと振り返る。
「真っ直ぐ声も出ていて、一言一言大事に歌っていらっしゃいました。ただ、体がまだ鳴っていないというか、声と体との共鳴は落ちてしまっているので、正直、ブレスがしんどそうなところはありました。しかし、このフェスのために、すごくトレーニングなさったんだなというのがわかる歌唱でした」
と、長年のファンとしても、プロとしても評価する。大ヒット曲の歌唱のあと、「明菜だぞー! 生きていたぞー!」と第一声を発した。
「いつもの明菜さんのお茶目なMCも全開でしたね。『7月には還暦だよーもうおばちゃんだよ』って、90年代以降おなじみの可愛らしい“自虐MC”も健在! 相変わらず歌うとカッコいいのに、おしゃべりするとカワイイ(笑)」
そんな姿が見られるのはライブならではのもの。そして、2曲目は、小室哲哉が作曲・編曲を手掛けた「MOONLIGHT SHADOW -月に吠えろ」。Kayaが感動したのは完璧な振り付けだ。
「『MOONLIGHT SHADOW -月に吠えろ』は、96年リリースの楽曲で、明菜さんが90年代後半にライブなどでもよく歌っていました。この曲には、印象的な振り付けがあって、それを見たいなと思っていました。今回のフェスでは、当時の振り付けのまんま、完璧にやってくださったんです! たぶん、当時の映像などを見直してレッスンしたんだろうなという感じでした。30年前と比べると、当時のキレっていうんでしょうか、動きはゆっくりだったりするところもあるんですが、それでも完璧に再現してくださったのが、ものすごいテンション上がりました!」