
待望の連休。でもホテル代が高くて旅行に行くのも一苦労──。それなら読書で旅してはいかが? 旅行気分になるおすすめ本を「旅の本屋のまど」に選んでもらった。AERA 2025年5月5日-5月12日合併号より。
【写真】店主の好きな『旅』と『本』を組み合わせた「旅の本屋さん」はコチラ
* * *
鉄道も飛行機もない昔から、人間は未知の土地に魅せられてきた。歩き、書き、語り継ぐことで旅を紡いできた私たちにとって、本もまた確かな旅のかたちである。
「旅の本屋のまど」は2007年創業。店主の川田正和さんは、旅行先のニューヨークやロンドン、パリなどで旅の専門書店があるのを見て、自分の好きな旅と本を組み合わせた「旅の本屋」を開こうと思ったという。
『新詳高等地図』は学校の授業で誰もが一度は手にしたことのある、いわゆる地図帳。川田さん自身が地図帳好きで、地図を見ることで旅行が好きになり、旅の書店を開くきっかけにもなったのだとか。
「地図を見ていると、『ここに行きたいな』とか『こんな町があるんだ』とか、旅心がくすぐられるんですよね。学校では授業でしか見ていなかったと思いますが、実は地図帳にはすごく多くの情報が載っていて、データも毎年更新されています。国の名前が変わることもあるので、新しい発見がたくさんあるんです」
旅行“ZINE”に注目
『世界ひと皿紀行』は世界各地の家庭を訪れ、台所で一緒に料理を作り、食卓を囲むことで見えてくるストーリーを発信する「世界の台所探検家」岡根谷実里さんの新刊。「ひと皿紀行」というテーマで、各国の家庭の台所に入り、実際に一緒に料理を作りながら、紀行文としてまとめた。単なるレシピ本ではなく、その料理を通して見える経済状況や社会情勢などにも触れられている。
台湾には100湯以上の温泉がある。その中から筆者松田義人さんが実際に浸かった30湯以上を紹介した『台湾ゆるぽか温泉旅』。水着着用の施設もあれば、日本と同じように裸で入れるところもある。日帰り入浴ができる温泉旅館も多く、日本統治時代に建てられた日本式の温泉施設が今も残っている場所もある。
『ketchup.ケチャップ True Guide for Shanghai Culture』『ウズベキスタン裏ガイドブック』は出版社を通さず自主的に作られている、いわゆる“ZINE”だ。いずれも「のまど」で購入可能。