
「えっ、マジで何しに来たの!?」「人見くん! 悪知恵授けないで!」「だーかーらー、訪問しちゃダメって言ったでしょ!」――。
フジテレビ系連続ドラマ「人事の人見(じんじのひとみ)」で、自由奔放な主人公に声を荒らげるヒロイン・真野直己を演じる前田敦子(33)。華奢な体から放たれるパワーあふれる熱演が話題だ。
Travis Japan・松田元太が主演を務める同ドラマは、文房具メーカーの人事部を舞台に繰り広げられる痛快オフィスエンターテインメント。前田が演じるのは、「正しい労働環境」を目指して奮闘する人事部3年目の社員で、秀才で常識人だが融通が利かず、周りと衝突することが多い役どころだ。
TVerでは初回見逃し配信が約1週間で217万再生を超え、フジ「火9」ドラマ枠での歴代最高を記録。ネット上では「元太くんが演じる能天気キャラが最高」「前田敦子さんのお顔が小さくて、元太くんと並ぶと遠近感バグる(笑)」などの声が散見される。
一方、大声で感情をぶつけるシーンが多い真野のキャラクターに関しては、「ヒロインがギャーギャーうるさい」「元太くんに怒鳴り散らかしててうっとうしい」といった声も一定数見られるが、真野の同作での役割を前田が理解し、好演しているからこその反応ともいえるだろう。ドラマライターの北村有氏はこう語る。
「SNS上で『前田敦子のほうが主人公っぽい』といった意見を見かけましたが、さもありなん、と思えるほどに存在感がありますし、キャラクターが立ってますよね。主人公の人見くんが自由奔放にやりたいことに突き進むキャラクターなので、その舵取り役がいないと物語にまとまりが生まれません。前田さん演じる真野は、少々小うるさいところもあるかもしれませんが、彼女がいないと話が始まらないし収束もできない。なくてはならないキーパーソンとして、前田さんが絶妙に締めてくれていると思います。
近年の前田さんは、ドラマ『厨房のありす』や映画『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』でも“姉御肌な先輩”といった役を演じていて、とてもマッチしていました。年齢を重ねるにつれて前田さん自身も、演じたい役、求められる役を意識して関わる作品を判断しているように見受けられます」