SNSが怖くなくなった

「実は、去年ぐらいまでSNSは苦手だったんです。たまによくないコメントを見ることもあったので」

 だが、徐々にSNSが楽しくなった。そのきっかけの一つに、前出の、たった1人来てくれた、あのファンの男性の書き込みがあったという。

「『今日も暑いけど頑張ろうね』『(公演終わりに)お疲れ様。ここがよかったよ』と毎日コメントをくださる」

 そんな声が実はたくさんあることに気づいた。すると、悪い言葉を怖がらずに、SNS上のさまざまな声も見ることができるようになった。視野が広がったできごとだった。

今は屈伸の「く」の字

「家族じゃないのに自分のことを好きでいてくれて、活躍を喜んでくれて、うれしいことを同じようにうれしいって思ってくれる人がいる。こんなにも見てくれている人たちがいるんだと気づいて、応援してもらう幸せを一層感じるようになりました」

 たくさんのファンを獲得し、大きなステージに立つことは「悲願」だ。

 経験を積んできた自負があるという。

「歌はそこそこですけど、ダンスは自信あるし、自分で言うのもなんですけど、SKE48の中で屈指のトーク力があると思っています(笑)。今は屈伸の『く』の字で、しゃがんでいるとき。自分を応援してくれたら、すごく楽しいんじゃないかなって。今が『推し時』だと思うんです」

(編集部・井上有紀子)

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