
食物アレルギーというと、子どもの病気というイメージを持たれがちだが、近年大人になって発症する人が増えているという。
原因は果物、小麦、甲殻類が多いが、なかでも小麦アレルギーについては、グルテンフリーの普及などによって関心が高まり、アレルギー専門の病院には小麦アレルギーを疑って受診する人が増えているようだ。
大人になって発症した場合の症状の特徴や対策などについて、「成人食物アレルギー」を専門に診療している国立病院機構相模原病院の福冨友馬医師に聞いた。
大人になって小麦アレルギー?
パンや麺類など、小麦製品を食べたあとにアレルギー症状が出る小麦アレルギー。乳幼児期に発症するケースが多いが、大人になって発症することも珍しくない。
なぜ、大人になってから突然、小麦アレルギーを発症するのだろうか。明確な理由は明らかになっていないが、福冨医師は次のように説明する。
「日常的に小麦製品を食べ続けることによって、小麦に対してアレルギー反応を起こすようになると考えられています」
福冨医師によると、具体的な研究結果として示されているわけではないが、小麦製品を食べる機会が多い人ほど、発症する危険性は高まる可能性があるそうだ。それに加えて、遺伝的体質との関連も指摘されている。