なお「なんでも欲しがる」タイプの彼女も「女優」を天職にしたいというこだわりは持っていた。99年『リップスティック』(フジテレビ系)でヒロインを演じるにあたって、こんな決意をつづっている。
「こないだ、仲のいいプロデューサーさんに言われたんだ。今回のドラマは広末涼子がアイドルになるか女優になるか、勝負じゃないのかって。(略)年齢が25とか30になってもアイドルな人はアイドルで、悲しい役、うれしい役、どの役をやってもその人自身になってしまうけど、広末には女優になってほしいと。だから今までの広末涼子という色を一度まっ白にして、このドラマをやりたいって気持ちはある。急いではいないけど、いつかは私も『女優』になりたいから」(前出『広末』)
『聖女』のような男たちを不幸にする悪女役も『らんまん』のような優しい母親役もこなせる彼女は十分に「女優」だと思うが、求める人たちがいなければ仕事にならない。これまではアイドル時代のイメージがプラスに働いてきただけに、そのイメージがかなり崩れたこれからの彼女がどれだけ求められるかは未知数だ。
本物の「女優」になれていたかどうかの答えは、これから出ることになるだろう。