「二冠」の立命館大(写真提供・日刊スポーツ)
「二冠」の立命館大(写真提供・日刊スポーツ)
この記事の写真をすべて見る

 近年、大いに盛り上がりを見せている大学女子駅伝界。2024年度は「5年連続二冠」の“絶対王者”名城大の牙城が崩れ、立命館大が10月の『全日本大学女子駅伝』、12月の『富士山女子駅伝』の2レースともに優勝を飾って「二冠」を手にした。迎えた2025年度は、どのような戦いになるのだろうか。

【写真】“普通のOL”から日本を代表するランナーへ 異色の経歴で人気博したのはこの人

 立命館大は実に見事な「二冠」だった。チームの全員が「一意専心」を胸に団結し、『全日本』では全6区間で区間賞3人を含む全員が区間3位以内の走り。『富士山』でも全7区間中6人が区間3位以内で区間賞が4人という強さで、2レースともに大会新記録での大願成就だった。だが、新チームを考えた際、優勝メンバーから2レースに出走した主将の村松灯(ダイハツ)と中地こころ(シスメックス)、1レース出走の福永楓花(エディオン)らが卒業した影響は非常に大きい。新1年生も含めてもう一度、チームを作り直す必要があるだろう。

 それでも関西の名門としてのプライドを取り戻し、掴んだ自信と勢いはチームに残っており、2レースともに1区を担当した太田咲雪(3年)と『富士山』で最長区間を担当した土屋舞琴(4年)が健在。2レースともに区間新の快走を披露した山本釉未(2年)は注目のランナーであり、さらに都大路で1区2位の新入生・佐藤ゆあ(立命館宇治高卒)にも期待が掛かる。優勝争いに加わることは間違いなく、連覇も十分に可能だ。

 王座奪還を目指す名城大はどうか。昨年度は『全日本』で4位、『富士山』では8位と振るわず。勝ち続けてきた先行逃げ切りパターンが崩れると、追いかけるレースの経験不足を露呈する形で最後まで流れに乗れなかった。だが、谷本七星(日本郵政グループ)が卒業した以外は主力メンバーが健在で、特に最終学年の4年生が、米澤奈々香、石松愛朱加、原田紗希、上野寧々、柳樂あずみ、大河原萌花と1年時から期待されて経験を積んできた“最強世代”であり、昨年度の悔しさを糧にした彼女たちのリバウンドメンタリティにも期待できる。

次のページ 主力がほぼ残った大東文化大