
「いままででいちばんファンキーなナンバー」と紹介された「ネオンライト」では末澤誠也のタップダンスが光り、「ROCK’NPOP」ではストリート感あふれるステージングで挑みかけてくる。「未練タラタラ」と末澤が言うラブソング「脳内ラプソディー」は、アイドルバンドらしいさわやかなメロディーに、正門良規のギターが唸る。
言葉だけを連ねると、一貫性がないように思われるかもしれないが、そのすべてが「Aぇらしい」。自分たちのものにする力量があるところが、曲者たる所以だ。
だが、何より圧倒されたのは、観客と「共に」と願う熱い思いだった。「Say Aぇ!」では観客が「Aぇ!」と叫ぶ声量で怪獣になった正門を倒し、「ばんざいデスコ」ではDJに扮したリチャードがコール&レスポンスで会場を沸かせ、佐野が作詞作曲したバンド曲「Aぇ You Ready?」ではエンターテイナーの小島健が自由に客席と遊ぶ“コジケンタイム”で盛り上げるなど、ファンと一体になって楽しもうとする姿勢が強く窺えた。
そんな彼らが本編の最後に選んだのは、アルバムリード曲「Hello」。「いつでもそばにキミは居てくれた」「共に紡いだ今日なんだ」──その歌声にはこれまで以上に、「共に」「キミと…」との熱い意思が込められているように、耳に響いた。(編集部・伏見美雪)
AERA 4月14日号では、「ROCKN’POP」のポップアップから「Say Aぇ!」での怪獣まで、本記事とは異なる写真17点を掲載している。

※AERA 2025年4月14日号