キラキラソングの「Colorful Days」や「Wonderful!!」、「WANT!!」では、これぞアイドルというかわいらしくポップな振り付けと、それ以上にキュートな表情でファンを釘付けに。Aぇ! group左から、小島健、正門良規、末澤誠也、草間リチャード敬太、佐野晶哉 (写真:品田裕美)

「いままででいちばんファンキーなナンバー」と紹介された「ネオンライト」では末澤誠也のタップダンスが光り、「ROCK’NPOP」ではストリート感あふれるステージングで挑みかけてくる。「未練タラタラ」と末澤が言うラブソング「脳内ラプソディー」は、アイドルバンドらしいさわやかなメロディーに、正門良規のギターが唸る。

 言葉だけを連ねると、一貫性がないように思われるかもしれないが、そのすべてが「Aぇらしい」。自分たちのものにする力量があるところが、曲者たる所以だ。

 だが、何より圧倒されたのは、観客と「共に」と願う熱い思いだった。「Say Aぇ!」では観客が「Aぇ!」と叫ぶ声量で怪獣になった正門を倒し、「ばんざいデスコ」ではDJに扮したリチャードがコール&レスポンスで会場を沸かせ、佐野が作詞作曲したバンド曲「Aぇ You Ready?」ではエンターテイナーの小島健が自由に客席と遊ぶ“コジケンタイム”で盛り上げるなど、ファンと一体になって楽しもうとする姿勢が強く窺えた。

 そんな彼らが本編の最後に選んだのは、アルバムリード曲「Hello」。「いつでもそばにキミは居てくれた」「共に紡いだ今日なんだ」──その歌声にはこれまで以上に、「共に」「キミと…」との熱い意思が込められているように、耳に響いた。(編集部・伏見美雪)

AERA 4月14日号では、「ROCKN’POP」のポップアップから「Say Aぇ!」での怪獣まで、本記事とは異なる写真17点を掲載している。

炎が噴き出すなかハードでクールなダンスで魅せる「RED ZONE」。ツアーの演出・構成・衣装はすべて末澤誠也が手掛けたが、佐野晶哉のフード、正門良規のブーツ、草間リチャード敬太のフライトキャップ、小島健の鋲ジャンなど、個性に合わせたストリートファッションも見もの (写真:品田裕美)

AERA 2025年4月14日号

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