ファイナンシャルプランナーの大竹のり子さん
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 世帯年収は高めでも、富裕層になりきれない「プチ富裕層」。お金の使い方の注意点を、ファイナンシャルプランナーの大竹のり子さんに聞いた。

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 お金が貯まらないというのは、世帯年収が1千万円ぐらいの家庭でよく聞く話です。理由は大きく二つあると思います。

 1千万円の大台に乗ることで消費が加速しやすくなります。「ほかの家庭よりも多く消費してもいいだろう」と気が緩むことが多いのです。それが続くと現実的にいろいろ難しくなる面が出てくるのだと思います。

 大きいのは住宅費と子どもの教育費、あとは車です。ありがちなのが、同じくらいの世帯年収の同僚や知人の影響です。「タワマン(タワーマンション)を買いました」と聞くと、それならうちも買えるかなと思ってしまいます。

 住宅、教育、車のうち一つならいいのですが、3つ全部をランクアップさせると1千万円では回りません。メリハリのある使い方が大事で、子どもの教育にお金をかけたければ、住居費の優先順位を下げ、車は持たずにいこうというふうに、支出に対する価値観を明確にして、それ以外は締めるのです。

 電気代やスマホ代も大切です。これだけで首が回らなくなることはありませんが、蛇口が開いたままではボディーブローのように家計にきいてきます。蛇口が開いたままで放置しておくことはよくありません。電力会社を乗り換えたり、格安のスマホに変えたりするなど継続的に基本料を下げられないか検討してほしいと思います。

 お金について、投資と消費と浪費の違いを知ってほしいと思います。車を買うことで、それが活力になって頑張れるのなら投資と言えるかもしれません。周りも乗っているからというのでは浪費に近くなってしまいます。

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