
――とはいえ始めたころは、誰かの声に頼らないとわからないこともあると思います。どのようにして投資手法を身につけられたのでしょうか。
最初のころだけは知識をつけるために、さまざまな媒体を活用しました。メインはラジオNIKKEIです。株式用語も全くわからなかったので、わからない用語が出たらすぐにスマホで調べました。本もたくさん読みました。投資のテクニック本ではありません。私が活用したのは、大成功した投資家の理念などがわかる経済心理学や投資哲学の本です。ユーチューブやツイッター(当時)も始めたころは参考にしました。今もXは使っていますが、あくまでも情報に気づく「きっかけ」にすぎず、必ず元の情報にあたります。アメリカ経済の動きは、「フォーブス」とか「ウォールストリート・ジャーナル」などの報道もキャッチアップしていました。
企業の個人応援団
――情報戦もさることながら、心理戦も必要だそうですね。
基本的にポジティブな性格で、調子にも乗りやすくて(笑)。やり始めたらとことんやりたいタイプ。中途半端は嫌いなんです。専業主婦でしたし、発達障害児の子育て経験もあり、保守的な思考になるところもあるんです。でも米国株に出会ってから、人生の可能性を広げられる場所があることを知りました。私の強みは「好奇心を満たすためならリスクをとれる」。そして忍耐力。長期目線で考えるように肝に銘じています。
――投資家としてのプライドを感じます。
信頼する投資家の堀古英司さんの言葉です。「上がっているときはみんな嬉しい。でも下がっているときに株を持っている嬉しさを感じられるのは、自分が投資家であるというプライドがある人たちだ」と。投資家であるプライドというのは、ただお金儲けをしたいだけじゃなく、企業を応援して株価が低迷しているときであっても一緒に耐えて、その後に戻ったときに一緒に喜びを味わう権利があると。私が個別株に投資するのは、その企業を応援している自覚を感じやすいからです。私は、企業の個人応援団なんです。
こんなド素人でこんな年齢の私でも成功できた事実が、希望や勇気になれば、このチャンスを頂いた恩返しのつもりで、いくらでも私の経験を伝えたいと思っています。