セ・リーグの野手で近年怪我に苦しんでいる代表格と言えるのが塩見泰隆(ヤクルト)だ。4年目の2021年にセンターのレギュラーに定着すると、サイクルヒットも記録するなどブレイク。チームの日本一にも大きく貢献して、ベストナインも受賞した。翌年も前年を上回る140安打、16本塁打を放つ活躍を見せたが、2023年には度々下半身のコンディション不良に見舞われて低迷。

 昨年も4月に腰を痛めて離脱すると、復帰した5月には一塁を駆け抜けた際に左膝を負傷し、そのまま実戦に復帰することなくシーズンを終えている。今シーズンも復帰に向けて調整を続けていたが、3月22日の日本ハムとのオープン戦で再び左膝を痛めており、長期離脱の可能性が高いと言われている。スピードが自慢の選手で、腰や膝にかかる負担も大きいだけに、まずはしっかり完治させることが重要になるだろう。

 パ・リーグの野手で怪我がもったいない選手として真っ先に挙げたいのが五十幡亮汰(日本ハム)だ。大学時代は12.00秒を切ればある程度の俊足と言われるスリーベースの三塁到達タイムで10秒58という驚きの数字をたたき出したこともあり、そのスピードについては現役選手だけでなく、歴代のプロ野球選手の中でも1、2を争う存在と言える。

 しかしプロでは1年目に太もも、2年目に腰、3年目に再び太ももを痛めて二軍でのプレーが多く、3年目の9月にはプレー中に相手選手と衝突する怪我にも見舞われている。それでもようやく4年目の昨年は1年を通じて一軍定着を果たし、自己最多となる18盗塁もマークした。ただ持っている脚力を考えれば、この数字は決して満足できるものではない。今年こそはスタメン出場を増やして盗塁王を狙いたい。

 パ・リーグの野手でもう1人名前を挙げたいのが高部瑛斗(ロッテ)だ。3年目の2022年に外野のレギュラーに定着すると44盗塁で盗塁王のタイトルを獲得。打っても148安打、打率.274という成績を残した。しかし翌年には右肩を痛めて二軍スタートとなると、胸郭出口症候群の手術を受けるなどして一軍出場はゼロに終わっている。

次のページ 昨年は怪我がちだった巨人の二塁手が飛躍