
――ゲストを迎え入れる側として心掛けていることはあるのか。
谷中:10年くらい前は「黙ってると怖く見られてしまうからニコニコしよう」とか、みんなでよく言ってましたけどね。
茂木:アハハハ! でもなんか「楽しいことありそう」と思えてもらえてる感じ? それが大事じゃない?
谷中:そうだね、とにかく楽しんでもらいたいし、常にこの人たちなら面白いことをしてくれそうっていうムードを作ることが大事だと思う。そのムードによってさらにコラボレーションを希望してくれる相手も集めて。そしたらお客様にももっと楽しんでもらえる。プラスの相乗効果がハンパないですよね。
まだまだ野望だらけ
――振り返ればメンバーの逝去や脱退など幾多の試練があった。しかし一度も止まることなく走り続けた、その思いを尋ねた。
ナーゴ:「トーキョースカ」という僕らが発明したものを、僕らが止めたら終わってしまうという思いもあるけど……でも続けてこられた秘訣と言えば、やっぱり、僕たちはまだ何も達成してないってことじゃないですか。道半ばというか。
谷中:確かにそう思っているメンバーは多い。自分たちでこんなに面白い音楽をやってるのにまだ全然知らない人がいる、みたいな。
茂木:そう、今回のベストアルバムは時系列で遡ってはいるんだけど、一番最後は1月にデジタル配信した楽曲「まだ、諦めてないだろ?」で締め括る形にしたんです。それはタイトル通りの思いで、俺らもまだまだ諦めませんよ、と。今後の予告編みたいな意味も込めました。
加藤:36年目もまだまだ野望だらけですね。甲子園ではいい振り返りができたんで、これから始まる47都道府県ホールツアーでは36年目の新しい僕たちが見せられると思う。予習がなくてもスカパラは楽しめます。ぜひ僕らの生音を会場で体感しに来てください!
(構成/ライター・大道絵里子)
※AERA 2025年3月24日号より抜粋

