
アレフは「正体隠し」をしている
――公安当局の対応についてはどう感じていますか。
アレフへの対応には不足や遅れを感じています。公安調査庁は麻原家の教団への介入を疑いながら、家族を立ち入り検査の際の対象とはしていません。また、再発防止処分のなかには、入会勧誘の禁止を含めていません。アレフは「正体隠し」の勧誘をしています。陰謀論(※サリン事件はオウム以外の者による陰謀)を振りかざしたとんでもない勧誘に対して、(公安調査庁は)繰り返しホームページで批判しながら、何も手を打っていない。その理由がわからない。宗教弾圧と言われることを恐れているのでしょうか。現状に合わせたメリハリが利いていないと思います。
――上祐代表個人として、社会にどう関わっていきたいと考えていますか。
世の中には、この30年間でオウム的なものがどんどん増えてきています。米国では不正選挙の訴えが議事堂襲撃に発展し、韓国では戒厳令が敷かれた。アレフの問題だけではなく、オウム的なものが繰り返されることのないよう、願わくはオウムが最後のオウム的なものとなるようにするのが理想です。私にはオウム時代の贖罪がある。予防、根絶を発信していきたいと思います。
(朝日新聞出版・夏原一郎)

